独自ドメインのメールアドレスを使用している場合、急に送受信ができなくなった際には業務に大きな支障が出ます。特にビジネス用途では「メールが届かない・送れない」という事態は信頼にも関わるため、早急な原因究明と復旧が求められます。
本記事では、独自ドメインのメール送受信トラブル発生時にまず確認すべき項目を体系的にまとめました。
送信できないときに確認する項目
メールソフト(OutlookやThunderbirdなど)の送信サーバー設定
- SMTPサーバー名が正しく入力されているか
- ポート番号(通常587または465)と暗号化方式(STARTTLSまたはSSL/TLS)が正しいか
- ユーザー名(メールアドレス)とパスワードに誤りがないか
特に暗号化方式の選択ミスや、パスワードの変更後の再設定忘れはよくある原因です。
メールサーバー側の設定(Web管理画面など)
- メールアカウントが有効か、停止されていないか
- 容量が上限に達していないか(容量オーバーは送信エラーの原因になります)
- SMTP認証が有効になっているか(認証なしでは送信不可)
セキュリティソフトやファイアウォールの影響
- ウイルス対策ソフトがSMTP通信をブロックしていないか
- 社内ネットワークで外部SMTPサーバーへのアクセスが制限されていないか
セキュリティ設定によって送信がブロックされている場合があります。
受信できないときに確認する項目
POP3/IMAPの受信サーバー設定
- サーバー名(例:mail.ドメイン名)が正しいか
- ポート番号(POPは110または995、IMAPは143または993)と暗号化設定が一致しているか
- パスワードが正しく入力されているか(受信だけ失敗する場合でもパスワードの誤りが原因となることがあります)
DNS設定の確認(MXレコード)
- ドメインのDNS設定に正しいMXレコードが設定されているか
- 複数のメールサービスを使っている場合、MXレコードが競合していないか
DNSに誤りがあると、メールがそもそも届かなくなります。特にサーバー移転時などに設定ミスが起こりやすいため注意が必要です。
メールボックスの容量確認
- 受信ボックスが上限に達していないか
- 特に「メールをサーバーに残す」設定をしていると、容量圧迫による受信不能が起こりやすくなります
不要なメールを削除するか、メールソフトの設定でサーバーから自動削除を行うようにすると改善される場合があります。
Gmailなどに送信したメールが届かない場合の注意点
独自ドメインからGmail宛のメールが届かないケースでは、以下のような送信元の認証設定が原因になっている可能性があります。
- SPFレコードが設定されていない(または誤っている)
- 送信元サーバーのIPを許可するSPFレコードをDNSに登録する必要があります
- DKIM・DMARCが未設定
- なりすまし防止の観点から、Gmailではこれらの設定がないメールを拒否する傾向があります
正しく設定していないと、迷惑メール扱いされるか、完全にブロックされる場合もあります。
以下の記事ではこれらの項目をより詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
その他の確認事項
- メールソフトのキャッシュやプロファイル破損(再起動や再設定で改善する場合あり)
- サーバー側でブラックリストに載っている(海外サーバー経由など)
- サーバーの障害・メンテナンス情報を確認(ホスティング会社のサポートページなど)
障害や設定変更が発生している場合は、サーバー会社からのアナウンスを確認することも重要です。
まとめ
独自ドメインのメールが送受信できない場合には、以下のようなポイントを順に確認することがトラブル解消への近道です。
- メールソフトの送信・受信サーバー設定(ポート・暗号化・認証)
- サーバー管理画面でのアカウント有効状態と容量
- DNSのMXレコードやSPF・DKIMなどの認証設定
- セキュリティソフトやネットワーク制限の影響
- サーバーの障害やメンテナンス情報
トラブルが発生した際は、1つずつ冷静にチェックし、サーバー会社やメール運用者への相談も早めに行うことが大切です。
NT CREATIONでは、独自ドメインのメール運用やDNS設定の見直し、トラブル時の技術サポートなども承っております。企業メールの安定運用に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。