病院・クリニック・歯科医院など、医療機関がホームページやSNSを活用して情報発信を行う機会が増えています。一方で、2018年の医療法改正により医療広告ガイドラインが整備され、従来のような「自由な広告」は厳しく制限されるようになりました。
「広告規制があるから集客できない」と考えるのではなく、ルールを守りながら“信頼性”を武器にした集客戦略を構築することが重要です。
本記事では、医療広告ガイドラインを遵守しつつ、実際に患者様からの信頼と予約につながる集客手法を解説いたします。
医療広告ガイドラインの基本を押さえる
まずは、広告としてNGとされる代表的な表現を理解しておく必要があります。
広告で禁止されている主な内容
- 治療の効果や安全性を保証する表現
例:「100%治る」「絶対に安全」 - 比較優良・誇大な表現
例:「地域No.1」「最高の技術を持つ」 - 体験談の掲載(原則禁止)
例:「私はこの治療で改善しました」といった感想 - ビフォーアフター写真の掲載(原則禁止)
- 未承認医薬品・医療機器を用いた施術の紹介
医療機関ホームページに限り認められる「限定解除」
以下の条件を満たす場合に限り、ホームページ上で一部の内容を掲載することが可能です。
- 患者が自らアクセスして閲覧する
- 専門性のある正確な情報である
- 表現が客観的である
そのため、「体験談」や「症例紹介」も事実に基づいた記述かつ限定解除要件を満たす形であれば掲載できるケースもあります。
集客につながる情報発信のポイント
客観的な事実・専門情報を丁寧に伝える
患者様が知りたいのは、「どんな治療が受けられるのか」「どんな人が診てくれるのか」という基本情報です。誠実でわかりやすい情報提供こそが最大の集客手段となります。
掲載したい情報例:
- 診療科目ごとの詳しい説明(医学的な根拠に基づいて)
- 医師のプロフィールや専門分野、経験年数
- 治療の流れや通院回数の目安
- 症状ごとの対応方法(例:肩こり外来、インプラント治療)
これらは広告規制に触れず、かつ患者様にとって有益な内容です。
写真や施設情報で安心感を伝える
院内の雰囲気やスタッフの様子が分かる写真は、信頼感の醸成に効果的です。
- 待合室・診察室・設備の写真
- 医師・スタッフの笑顔の写真(制服着用で自然体)
- アクセスマップや駐車場情報の明示
安心できる雰囲気を視覚的に伝えることは、集客への第一歩となります。
よくある質問(FAQ)ページを活用する
患者様が抱える不安を先回りして解消できる「FAQ」は非常に有効です。
例:
- 初診時に必要な持ち物は?
- 費用はどの程度かかる?
- 小さな子ども連れでも大丈夫?
FAQは広告規制に触れにくく、SEO効果や滞在時間の向上にもつながるため、集客面でもメリットがあります。
ブログ・コラムで地域の“医療情報源”になる
ガイドラインに配慮しつつ、医師としての専門的知見をやさしく解説する記事は、信頼構築とSEO効果の両面で有効です。
おすすめ記事例:
- 花粉症とアレルギー治療の基本
- 高血圧の正しい測り方と予防法
- 虫歯予防のために家庭でできること
あくまで医療情報提供を目的とした記事であれば、広告ではなく「医療機関の社会的役割」として扱われます。
SNSやLINE活用も「広告表現」には要注意
SNSやLINEを活用する場合も、内容によっては医療広告として扱われる可能性があります。
SNSで気をつけるべきポイント
- 「いいね数」「ランキング形式」の表現は避ける
- 施術前後の比較写真や体験談のシェアは慎重に
- 宣伝文言よりも「お知らせ」や「健康情報」に主軸を置く
LINEでは、「休診日のお知らせ」「ブログ更新の通知」など通知ツールとしての運用が安全です。
患者の声はどう掲載すべきか?
体験談やクチコミは原則NGですが、スタッフの感想や取材形式に近い構成であれば許容されることもあります。
代替表現の例:
- スタッフが見た「印象に残る症例」
- 院内の取り組みや改善事例をスタッフ目線で紹介
- 「アンケートの集計結果」として数値で提示
個別の掲載可否はケースごとに異なるため、必要に応じて厚労省のガイドラインや弁護士・コンサルタントの確認を受けましょう。
まとめ
医療広告ガイドラインに配慮しながらも、情報提供の質を高めることで信頼と集客は両立できます。
- 規制されている表現を理解し、避ける
- 治療内容・医師紹介・院内写真など「事実ベース」の情報を丁寧に伝える
- FAQやコラム、ブログなどを活用して患者の不安を先回りで解消する
- SNSや口コミの扱いには十分注意し、宣伝よりも情報共有を重視する
NT CREATIONでは、医療広告ガイドラインを遵守したホームページ制作、コンテンツ設計、ブログ記事執筆など、クリニック・歯科・整骨院様向けのWeb集客支援を行っております。安心して発信できる仕組みを整えたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。